なべさんの真空管オーディオ

自作真空管アンプを中心としたオーディオのブログ

A3500直った

ラックスキットA3500、10年ほど前に父が多分ハードオフで見つけてきたものらしいが、片チャンネルが出力トランスの断線で音が出ない。反対の出力トランとチョーク内からは詰め物が溶け出している。ラックストランスは性能の向上のため独自の巻き線方法と比較的細い電線を使用したようなのであるが、当時の絶縁材が良くなかったのか、その頃のラックストランスは音の良さとともにショートや断線の話もよく耳にする。で、うちのはビス穴がぴったりという理由だけで橋本トランスに交換してしまったのであるが、プリント基板なので負帰還抵抗を弄りまわすのも面倒だったので何の調整も施していないままである。方形波測定は行ってみたけれど随分とリンギングが発生しているのを記憶している。

ラックスキットA3500

その後、神保町の明倫館書店で「電波技術別冊 管球パワーアンプ(昭和47年)」という本を買ったら、その中に本機が紹介されており、その本によるとオリジナルの状態でも容量負荷に対してリンギングらしき現象はそこそこ発生しているようだ。トラン交換時に負帰還量を実測したが、およそ21dBだった記憶している。当時は多量の負帰還を掛けて測定性能を競っていたようなのである。発振さえしなければ良し、とする測定結果重視、ヒアリング(殆ど)無視といった時代であったのかと推測する。

数年前にちょっと使用してみたら片チャンネルの音が非常に小さい。これは修理が厄介かもしれないと諦めて暫く仕舞っておいたのだが、先日ボリュームノブを何度か回し、RCAジャックを抜き差ししてみたら直ってしまったようである。ピンジャックがガタガタになっている。当時のは金メッキなんて使っていないし、形が合うのが見つかれば何とか交換してみよう。

なお本機にはオリジナルどおりに6CA7が刺さっている。

久しぶりのアキバ

電気街が目当てでは無かったのだがアキバを少し散策した。

ニュー秋葉原センター入口


ニュー秋葉原センター、ここは神田寄りのガード下で2000年代までは真空管屋さんやラジオ部品を扱い昭和の香りが漂う店、国際ラジオ等が残っていたが、昨年春に春日無線がラジオセンター1Fに移転して、とうとう電気部品屋さんが無くなってしまったようだ。いまはパソコンやスマホを扱う店と怪しげなブルセラショップ?らしきお店になってしまった。

お店が無くなった通路


年末にネジの西川も店を閉め、千石電商にその業務を引き継いだと聞く。まだまだ通販店や千石さんのような比較的大手のチェーン店系があるけれど、店舗を覗いて面白い物を見つけたり、無駄な買い物をしたりというアキバのお店を廻る楽しみが無くなってしまった。この先、電気工作の部品はどこから調達すればよいやら。

オノデン坊やは健在

実は今日は岩本町側にあるレモン社秋葉原店でレンジファインダーコンタックスゾナー50mmをわりと安く購入した。昨年末は東京CAMERAで東独の安いレンズを購入した。ヨドバシカメラは言うまでもないが、他に(行ったことは無いけれど)アキバカメラ、にっしんカメラがあるそうだ。意外にもアキバ界隈はカメラ屋が増えているようなのだ。

ラックスキットA3550

秋葉原の(今は無くなってしまった)木村無線で90年頃に購入したラックスキットA3550。

ラックスキット A3550

シールド線の配線などいくつか勉強にはなったが、他の自作アンプに比べるとイマイチだったのであまり使わずにいた。引っ越しで新居が見つかるまでの間の1年程、全てのアンプが貸し倉庫行きだったとき、近くに住んでいたプロの音楽家でオーディオマニアの方に暫くお貸ししたことがある。頻繁に使っていたら、ご本人曰く「(音が)大分ほぐれてきたよ」ということであった。引っ越ししてからもさほど使用していなかったので今日は繋ぎ変えてつかってみた。始めは少々ギスギス感もあったが慣れたせいか良く分からないけれど、まあまあの感じである。

ラックの上に置いた状態

因みに回路は6550Aプッシュプルでウィリアムソン型。プリント基板によるものであり、このような3段増幅の回路でさらに、ドライバー段のヒーター直流点火までやってしまうと、とてもごちゃごちゃしてしまいラグ配線ではこんなに小さなシャーシーには纏められないだろう。また、NF(負饋還)の有無とモノラルとの切り替えがスイッチで可能となっている。さらに出力段は三結とビーム接続が変更可能。私は何度か比較の結果、三結でNF有りに帰結した。なお今もヤフオクでは頻繁に見かけ、人気も程々にあるようだ。

C3gを入手

ロクタル管でメタルチューブのこの球は、昔のドイツ郵政公社が通信システムの増幅に使用した5極管。電話回線の中継増幅器用なのか?

シーメンスC3g


とにかく信頼性が高いし、ノイズ対策も万全なはずである。外側の金属を剥がして使った例を見たことがあるが、中が見えないからと言って、そんな使い方はしたくないものだな。一般にドライバー管としての使用であるけれど、パラプッシュにして出力管としての使用もあるそうだ。

長岡鉄男著「最新ステレオ製作」

表題の古本を入手した。日本文芸社の昭和45年発行である。

購入した本の表紙

詳しく読んでみないと何とも言えないが、その内容は真空管式のラジオなどを改造してステレオアンプにする、レコードプレーヤーの自作(昔のモジュラーステレオにあったような簡易なベルトドライブにセラミック式カードリッジ)、ほんの表紙を飾っている奇抜なデザインのスピーカー(これは長岡氏のお得意分野ではないか)といったところである。私が初めて長岡氏を知ったのは1980年頃に購入したステレオ誌の記事である。この本の発行が70年であるから、その間の10年程で、ずいぶんと長岡氏の造るオーディオのグレードも世間一般のオーディオ装置も急速に発展したように感じる。

2023年を振り返って

今年の管球アンプ趣味では何と言ってもPX25シングルアンプを完成させたことが大きい。部品集めから2年以上かかってしまった。新居に越してから初めてゼロから作成したアンプである。作業環境が以前とは幾分異なるので、作業スペースの確保や道具集めで手間取ってしまった。一年前の正月休みにシャシー加工を行う予定が、暫く使っていなかったボール盤のベルト不良で暫く延期。ホームセンターに行っても置いてないのでモノタロウで購入してみたものの、今一つ滑りが大きくてパワーが出ない。代わりに油圧パンチを買う等、自分の年齢的な体力低下に合わせた道具揃えも行ったのだが、ようやくひととおりの工程を終え工作を行う環境も整った。

なおPX25sの特徴は、

・似通った性能のWE300Bを使ったシングルアンプに比べ、落ち着いたバランスである。渋い、と言ってもいいくらい。一方の300Bは独特の張りがあってジャズなどに向いていると思うが。

・シングルアンプとしては出力が大きくとれるほうである。一応フルオーケストラでも聴けるので実用的だ。

・音量が大きくなると、やや混濁し高域の破綻と分離の悪さが生じる。この点はシング

ルアンプの難しいところだ。

・出力トランスを奮発したので、この性能は球によるものかトランスによるものなのか疑問。

製作環境も整ったので引き続き来年もがんばります!

PX25

 

無線と実験誌が季刊になった

MJ無線と実験を購入した。今号から季刊誌となった。

しかし内容は以前と変わらないし厚みも変わらない。なぜか「名曲を訪ねてシネマの森へ」という柳沢正史さんの連載記事が2号分掲載されていた。

ただし値段が税込みで前号が1430円であったのが2000円となっている。単に価格が今のままではどうにも立ち行かない・・・・ということが季刊誌化にした理由なのか。

目についた記事は上記の柳沢さんのバランドシングル方式。どこかネットでも見た記憶があるが、BTL方式のような管球アンプである。一度、小型のもので試してみたい。