なべさんの真空管オーディオ

自作真空管アンプを中心としたオーディオのブログ

オーディオ人口

MJ無線と実験誌でPRしているイベントは今年も中止。これは、来場者に高齢者が多いので無難な措置とも思われる。もっとも、こういったイベントへの出場者さえも高齢である。ところで若い人はオーディオに限らず、あまりこういった趣味の世界にのめり込むことが無くなったのであろうか。

それほど強烈にオーディオや音楽にのめり込んでいるわけでなくても、私が学生だった頃は四畳半程度のアパートに下宿している者でさえ、それなりのコンポを(中古もあったが)揃えているヤツがけっこういた。今では、ちょっとの騒音も許されないようだし、何より経済的に余裕のある学生が少なくなったのと、スマホで何でも間に合ってしまうから、特別なものは必要ないと思っているのであろう。

オーディオについて言えば、仮に実家の親が、ある程度のグレードのコンポでも持っている家庭でない限り、まともな装置から出る音を今の若者は聴いたことがないようだ。でも彼らの中には、まともな音を聴く機会があった時には、すこぶる感激する者もいた(同時に、うちじゃ無理だし、欲しいとも本気で思わなかったのも事実であろう)。

ふと、そんなことを思ってMJ誌のアンケート葉書の回答欄の年齢層を90年代と現在とで調べ、比較してみた。

・1991年12月号

20代 3人

30代 6人

40代 5人

50代 5人

60代以上、無し

 

・2021年10月号

40代以下、無し

50代 2人

60代 10人

70代 12人

80代 4人

全ての読者が葉書を送っているわけではないので、これだけで読者層を特定できるとは思わないけれけど、概ね若い層はMJの読者になっていないようである。

お年寄りが元気なのは相変わらずであるが、昔の読者がそのまま現在の読者であり、新しい若い層を獲得できてないのではないか、という懸念がある。

このままでは、日本のオーディオ業界は益々先細り、自作などの技術も消えゆくようで心配だ。私の学生時代なら新品のアンプ、デッキ、スピーカー(1台)が有名メーカー数社で、ヨンキュッパからロクキュッパで手に入ったものだ。せめて少しバイトでもすれば学生や生徒でも手に入る価格のコンポを一流メーカーに販売してほしいものだと思いが、昔のように・・・と考えること自体、時代錯誤と言われそうだ。