なべさんの真空管オーディオ

自作真空管アンプを中心としたオーディオのブログ

カメラとオーディオ(その3)

正月休みにライカMのレンズを全てα7にマウントアダプタを介して取り付け、試写してみた。室内でロールカーテン越しの逆光という条件で、中央の貯金箱にピントを合わせた。絞りは開放とF5.6。すべての写真は載せないが、代表として初代ズミルックス50/1.4開放での写真を以下に示す。60年以上前の設計である。

ズミルックス50mm1st開放

全体にハロがかっており滲みが見られる。線の解像度はあるのだがコントラストは低くメリハリのない描写である。色調は冷色である。うちにある他ライカのオールドレンズは全て同様な傾向にある。

次にズマリットM35/2.4。市場流通品限りという、ほぼ現行品である。モヤっとしたところはなく、すっきりして、見た感じのシャープネスが高い。色調も温色系だがやや黄色っぽい感じ。拡大してみると、解像力はオールドレンズには及ばない。まさにヤシカコンタックスヤシコン)が発売された時のウリ、「解像力よりコントラスト」である。

ズマリットM35mm(6bit)開放

ちなみにそのヤシコンの28/2.8は下のような写り。周辺光量が低下して暗い画面であるがカラーバランスは上記のズマリット以上の暖色系である。全体に破綻なく立体的で自然な描写力である。このレンズは初期からあるはずであるから、50年近く前の設計である。

それに一連のヤシコン・ツァイスレンズはカラーバランスの統一性があり、これは良いが、こっちのレンズは良くない、なんていう設計上のばらつきが無く、どのレンズに換えても描写に統一性があるのは流石である。やはり80年代位まで、ツァイスとライツのレンズ設計力には、かなりの隔たりがあったといえる。

ディスタゴン28mm開放

イカのオールドレンズは確かに白黒写真向けである。却って緩めのトーンはプリントで白黒の諧調が出やすく、無難な写真になるかもしれない。古いレンズはボケボケだから駄目、ということもなく、味わいある使い道もある。以前に数台持っていた蓄音機の味わいにも似たものなのか。この話題はひとまず今回で終わり。