8月に6C33C-BのSEPP最大出力について書いたが、その際に参考にした「真空管アンプ製作自由自在 長 真弓 誠文堂新光社」の中のコラム欄を再度見たところ、どうやらそれが間違っているように思えた。負荷の4倍のロードライン、つまり8×4=34Ωの線を引いて・・・とあるが本の中の図をみると8オームの勾配になっている(その事例は6C33C-Bのシングルppで負荷インピーダンスは8Ωの場合である)。新しい本はミスプリが多いので、昔の名著「OTLアンプの設計と製作 武末数馬 ラジオ技術社」を少し読んで、「真空管アンプ自作マニュアル S54年 電波新聞社」にある6AS7のOTL製作記事も確認した。やはりシングルのOTLロードラインは、想定する負荷(スピーカー)のインピーダンスのままで良いようだ。また、もし2パラなら負荷×2のロードラインを引いて計算した出力を2倍することになる。
ところで6C33C-Bのプレート特性の図に8オームのロードラインを引くと交点はA4の紙の遥か上になってしまう。元々OTLなんてロードラインで設計することは無謀なんだ。
参考に26HU5の3結SEPPのロードラインから出力を計算してみた。
今は殆ど使用していないが、シングルの出力段で4W強というところ。これだと実測値に合いそうである。試しにこの設計のまま、2パラにすると20Wは出せそうだ。これは2パラにすると、並列となる回路上から2倍になるだけではなく、負荷も2倍になったのと等価となる事から約4倍の出力になると言われていることに合致する。手元に26HU5は8本あるので、やはりモノラルで2パラのアンプに組み替えるのが実用的と思う。