我が家から自転車で40~50分のところに石神井公園がある。そこの『練馬区石神井公園ふるさと文化館分室』に作家・五味康祐さんの遺品が展示され、7,8月を除く毎月1回、遺品を用いたレコードコンサートという催しがあるそうだ。今日はそこまでサイクリング、展示品を見学させてもらった。
メンテナンスのために、JBLパラゴンのような或いはデッカのデコラのような家具調スピーカーから音が流れていた。型番不明と書いてあり、キャビネットを特注しタンノイのユニットをはめ込んでいるとのことである。
五味さん愛用のタンノイはマッキンC275で鳴らしていたのは有名であるが、他にも様々な真空管アンプを使っていた。写真左はクオードのモノラルアンプでKT-66のプッシュプル、右はラックスマンのレコードプレーヤー、中央の真空管には何の説明もなかったが、2A3のようである。
壁には愛聴盤が飾られている。ストラビンスキー自作自演盤も聴いていたのか!
何冊かの五味さんのオーディオ本を最近読んでみた。ずっと昔は、五味さんのことはマランツだ!マッキンだ!というようなブランド志向のマニアと思っていたけれど、現在のオーディオマニアの概念が定着する以前に、何よりも部屋(オーディオルーム)が大切。電源極性やコードで音が変わるなど行ったことに気が付いていた一人である。とにかく自宅で自己が満足できる音(五味さんの場合はクラシック音楽)を再生芸術として追求し、存分に楽しみ尽くしたマニアであったと思う。
(祐の字は新字体を使用)